『リーダーシップの二律背反』

~組織の論理がリーダーシップ人材創出を阻害する~

by.松本 宜大

リーダーシップは、人材育成において極めて重要なテーマです。
様々な手法を使って、企業は『自社のリーダーシップ人材』の育成に励んでいます。
私もこの業界に入って12年、様々な企業や組織をお伺いしましたが、『リーダーシップ』というテーマについて考えていない会社はゼロです。
次期経営層から次世代のマネージャー、中堅社員など、様々な階層の違いはあれ、
企業はメンバーに対して、『リーダーシップの発揮』と、『その事で事業成果』を創出する事を求めています。

その割には、期待する成果は出ていないようです。
勿論、期待が成果に必ず直結することは世の中稀でしょう。
しかし、それにしても死屍累々のような状況はなぜでしょうか?

いろいろな要素が絡み合っているテーマではありますが、
1つ着目するべきことがあります。
それは
『組織の論理』
です。

経営層やマネジメント層の独占物としてのリーダーシップから、全メンバーによるその状況に合わせた(最適な)リーダーシップへ、考え方のシフトチェンジ。
また、組織もかつての官僚型組織からアメーバ型組織への移行など、堅いそしきから柔らかい組織への組織論の転換。
このような考え方の変化はあるとはいえ、顧客に接する現場では従来の管理統制型『マネジメント』も求められているのは事実です。
経営層の意思決定に基づき、現場でしっかりとそれを実行していく中で、求められる事は言われたことを言われた通り実行する意識、スキルです。
組織は、その下層では『マネジメント人材』を求めているのです。

皆さん、これから日本を代表する大企業を思い浮かべてみてください。
スティーブジョブズがその会社で(内部昇進で)社長になれますか?
坂本龍馬はどうでしょう?ザッカーバーグはどうでしょう?
得てして、『リーダーシップ人材』は『マネジメント人材』とは別人種なのです。
組織が組織を維持するためにマネジメント人材を求め、昇進昇格させることが、『リーダーシップ人材』の昇進昇格を阻む傾向があるのです。

『リーダーシップ人材の育成』を考える前に、
あなたの組織が果たして『リーダー』を許容しうる組織かどうか、
一度考えてみるといいでしょう。