組織開発のカベ

本当に必要なところには届かないもどかしさ

by.松本 宜大

先日は「組織開発」についてお話しました。
組織開発の可能性~個人の能力だけでは解決できないこと~
HRM(人的資源)の領域で、その重要性は日増しに高まっています。

 

但し、組織開発を様々な企業に展開していくには大きなハードルがあります。
今回は、そのハードルについて述べたいと思います。

 

・組織開発は、まだ意識の高いHR担当者にしか浸透していない。
・企業とファシリテーターの間に立ってコーディネートする業者が、
組織開発領域では余り存在していない。
・組織開発は予算が取りづらい
・組織開発の対象としている「関係性」について、緊急度が認識されづらい。

 

組織開発は、まだまだ人材開発担当者の認知が十分でなく、
その上業界構造が研修に比べて未成熟です。
また、研修なら「営業マンにヒアリングのスキルが不足しているから研修をする」という名目で企画を立て、
予算も取りやすいものの、組織開発ではそれが難しいという現状もあります。
更に、「関係性?社員旅行行っているし、飲み会とかも多いし。必要ないでしょ!」という一種の勘違いも見られます。

 

その結果、組織開発を必要としている企業にそれが提供されないというジレンマがあります。
これは、HR業界だけでなく他のサービスでも言えます。
私の知り合いに、貧困家庭向けにあるサービスを提供している方がいます。
その方が言われるのは
「対象としている人は、ネットで調べたりもしないし、
このサービスを知っている友人もいないので、来ない。探索しない。」

 

これは、最近注目のU理論にも言えます。
U理論に興味のある人は、もともとそういう自己認知や自己開示に興味のある人で
U理論が本当に必要な人は、そもそも探索しない
という事が多々あるそうです。

 

組織開発はこのようなジレンマをどう克服するべきか、今後の業界の課題と言えるでしょう。
そもそも、このコラムも本当に必要な人には届いていないような気もしますが、
必要な人や組織に届くような、そんな努力や工夫が求められていると思います。