組織開発の可能性

~個人の能力だけでは解決できないこと~

by.松本 宜大

人材開発領域で、組織開発(OD)が注目されています。
従来のHRの「個人の能力」に対する対策(研修)では不十分と考え、
「組織や職場の関係性」にフォーカスをあてるのが組織開発です。
根底には、組織成果を「個人の能力の総和」と考えるのか、
「組織や職場の関係性」と考えるのかの違いがあります。

企業への訪問中や研修中にこのような声を頂戴する事があります。
「ある高業績者を違う部署に異動させたら、思ったような成果を出せなくなった」
「優秀な人ばかりのチームなのに、成果を上げられていない」
ここに、組織開発を考えるヒントがあります。
個人の能力の総和が必ずしも組織成果になるわけではないという事です。

その理由は何でしょうか?
それは、個人の能力がその置かれた環境に強い影響を受ける事実にあります。
人間はロボットではありません。
単に、能力を発揮しろと言われてできるものではありません。
まず、本人のモチベーションがあります。
京セラの創業者の稲盛和夫氏の言葉に
『人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力』
というのがありますが、どんなに能力のある方でも熱意が無いと成果を上げることはできません。
他にも、職場での関係性もあります。
例えば、
・職場の人間関係が悪く、情報共有が十分ではない
・他者に対する関心が薄く、協力し合う風土が無い

その裏には、その組織特有の問題があることもあります。
・失敗に対して、厳しい風土がある(厳格な評価制度)
・過去に経営陣の拙い意思決定で、従業員が辛い経験を強いられた
といったことです。

長年、多くの企業のHR担当とお会いして、
「個人の能力」に着目しすぎている傾向があるように思います。
一度、それ以外の「組織や職場の関係性」に注目してみると、違う視点が出てくるかもしれません。