HR担当者が持つべき時間軸

~マネジメント層を枯渇させないために~

by.松本 宜大

今回は、マネジメント層についてお話します。

 

多くの企業で、マネジメント層の育成が急務となっています。

 

「組織全体を俯瞰して、事業を構想できる部長がいない」
「しっかりと人材育成ができるマネージャーが少ない」
「他部門と連携して、ビジネスをつくれるマネジャーがいない」
各社によって、課題は様々ですが、「わが社のマネジメント層のパフォーマンスに満足している」という企業は
おそらく皆無でしょう。

 

マネジメント層は一朝一夕には育成されません。
その階層の一つ下の「母集団」が必要です。
具体的には、
「優秀な部長層」を出すためには「優秀な課長層」が必要
「優秀な課長層」を出すためには「優秀な係長層」が必要
「優秀な係長層」を出すためには「優秀な主任層」が必要
「優秀な主任層」を出すためには「優秀な若手層」が必要
という意味です。
各会社で階層や名称は異なると思いますが、いずれにせよ「裾野をいかに幅広く」確保するかが重要です。
その会社のマネジメント層はこの裾野の幅広さに比例します。
高い山にはそれだけの幅広い裾野があるように。
普通に考えても、10名の平均的な力量の係長から2名の課長を選抜させるより、10名の優秀な係長から2名選抜する方が
優秀な課長を選抜する可能性は高いはずです。
(優秀な係長≠優秀な課長の議論は次回します)

 

裾野を幅広く確保するためには、HRとしてどんなことをすれば良いのでしょうか?
それは、『時間軸を長く持つ』ことです。
具体的には、10年後の組織図、人員配置図を想定して、施策を考えるという事です。
HR担当者として、会社の何年後ぐらいを見て、施策を考えていますか?
1年?3年?5年?10年?15年?
マネジメント層の育成のためには、最低でも10年ぐらい先を見るべきです。
主任を見て、「この人は将来の係長候補だけど営業経験が無いので、営業所に異動させよう」
係長を見て、「この人とこの人は将来の課長候補だから、一度工場の仕事を経験させておこう」
課長を見て「この人は将来の部長候補だけど、会社全体を俯瞰して見る経験が必要だから経営企画部門に配属しよう」
このような意図的でピンポイントな育成方針が必要です。
(但し、期待はそれとなく伝えることが重要です)
それとともに、指名しなくてもよいですが、ある層全員に将来一つ上の層の候補者としての準備や自己啓発を促しておくことも必要です。
この事で現在の層としての役割拡大も期待できますし、、自己研鑽が期待できます。

 

一度、自社の10年後にどんな組織、配置になっているのか点検してみてください。