境界と人材開発(続き)

~計画的異動のススメ~

by.松本 宜大

前回は人が持つ固定観念としての「境界」についてお話しました。

(https://hr-lounge-nagoya.snapshot.co.jp/colum16/)

誰しも自身の経験から固定観念が生まれ、それが他部門との連携を阻害したり、
過度な部分最適を生んだりしてしまいます。
この固定観念の枠を「境界」と呼びます。
この境界について、人材開発担当者として何をするべきなのでしょうか?

 

固定観念が簡単に取れないからこそ、“固定”観念です。
取るためには、どんなことをすれば良いのでしょうか。
研修?
評価?
人間そのものを変えることは大変難しいと言わざるを得ませんし、効率的ではありません。
それよりも、人間の置かれた環境を変え、その事で変化を促す方が容易ですし、効率的です。

 

『環境を変える』
そのことで、
『人間の持つ固定観念を変える』

 

そのために、最も有効な「策」は計画的な『異動』です。
例えば、営業部門を生産部門に異動する。
「異動して今までとは違う経験をする」
「違う立場から、元にいた部門を観る」
「異動先の人とのコミュニケーションを通じて、自身の意識との際に気づく」
その事によって、営業部門として知らず知らずのうちに蓄積した固定観念の打破が期待できます。
固定観念は固定観念として、そもそも認識してません。
固定観念を打破するためには、まずは認識させることが第一です。
その逆も然りです。理想としては、可能な限り多くの社員に異動を経験させること。
その事によって、ただでさえ固定観念が各部門で形成されることを防ぎ、多くの社員が多様な観点で会社を見る事(全社最適の実現)が期待できます。。

 

『異動』が全く無い場合、何が起きるか想像してみてください。
・部門は他の部門の事が理解できないし、考えることも無い。
・部分最適ばかりで、全体最適的視点は皆無
これらは、組織にとって重大な弊害をもたらします。

 

人材開発担当者としては、
・自社の組織構造や職種をよく観察した上で、
・最適な異動のパターンを考え、
・一人ひとりの人材の能力・資質・意欲を踏まえた異動プランを作成する
という事が求められています。